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フェデラー、ナダルに学ぶATPの戦い方と錦織の今後

日本時間の今日2時から行われたマスターズマイアミ大会決勝は、今年早くも3度目となるナダルとの対戦を制したフェデラーが11年振りの優勝を果たした。

 

今年ケガから復活したフェデラーはこれで今年エントリーした大会4大会のうち3大会で優勝。しかも内訳が全豪、インディアンウェルズ、マイアミと今年行われた大会のうち規模の大きな3大会全てを制したことになる。今年獲得したポイントは早くも4000ポイントを超え、当然ロードtoロンドンもぶっち切りでトップである。

一方またもマイアミの優勝に届かなかったナダルも出場した5大会中3度の準優勝と、こちらもケガ開けから順調なシーズンを送っている。

 

この2人の今年の順調ぶりを見ると今後のATPツアーの戦い方に大きな変革をもたらすのではないか、と言うよりも既に変化は起き始めていると感じる。

これまでは自分が獲得しているポイントを落とさないように、そしてさらにポイントを稼ぐため前年度と同等数、あるいはそれ以上の大会にエントリーするのが普通であり、仮にツアー中に手首や脚などに痛みを感じていたとしても、多少無理をしてでも出れるなら出るというスタンスを取っている選手が多い。

 

それが去年、フェデラーナダルという超一流の選手がケガによる長期離脱をし、完治させた状態で今年のツアーに入って来た、そして上述のような成績を残している。

これは痛みや違和感を押してでも試合に出るよりも、出場大会数を多少減らしてでも調子を万全に整えたほうがより良いパフォーマンス、結果が残せるという証明に繋がるのではないだろうか。

今回のマイアミ大会、世界ランク1位のマレー、同2位のジョコビッチ共にケガを理由に出場を見送っている。逆に先月に足を痛めたラオニッチは完治とは言えない状態ながら今大会に出場したが結局途中棄権、下手をすれば完治までに更に時間を要してしまう可能性も出てしまった。

 

これまではラオニッチのように完治していないながらも出場し、所謂「やりながら治す」ようなツアーの戦い方が主だったが、今年のフェデラーナダル、そしてマイアミでのマレー、ジョコビッチの対応を考えると今後は上位選手がケガや体調不良を理由に出場を見送るケースが増えてくると予想される。

 

もちろんこんなことが出来るのはベストの状態で試合に出ればポイントが取れる上位選手に限っただけの話であることは付け加えておく。

 

さて、メディアでは格下という全く格下じゃない選手と厳しい戦いを強いられていた今季の錦織だが、これからは去年好調だったクレーのシーズンに入る。錦織もマイアミで手首に違和感を感じていたがバルセロナマドリードまででどこまで復調出来るのか。これまでは普通に出ると思っていたしそれが当然と考えていたが、上記のことを考えるとまだシーズンは始まったばかり、バルセロナを飛ばしてマドリードに万全の状態で臨むことも選択肢に入れても良いのではないかと思う。

 

クレーシーズンでの楽しみは、まだ今年当たっていないフェデラー対マレー、ジョコビッチ戦がどうなるかというところ。バックハンドとライジングで対ナダル決戦兵器と化した今年のフェデラー。スピン系のナダルとは違うマレー、ジョコビッチと当たった時にどんな試合になるのか、今から楽しみである。